HPP超高圧常温食品加工技術は、その名のとおり、常温のもとで、大気圧の約6000倍に当たる87,000psiで包装後の食品を殺菌するものです。微生物や酵素を失活させて食の安全性を高め、食材中の栄養分を流出させることなく、品質を安定させて賞味期限を延長することができるからです。
現在の食品業界における各種の殺菌方法と違って、常温で超高圧処理するので、食品の鮮度や栄養成分の維持に優れたパフォーマンスを示します。多くの業者はまだ熱殺菌を採用しているため、熱加工に適さない食材に関しては、殺菌作業がボトルネックとなっているのが現状です。
HPP技術は弾力性に富む商品に適します。商品をパックし、超高圧処理装置内に入れた後、機器に給水して、パック内の商品の内部に至るまで、一定時間連続して圧力をかけます。水を媒介として施されるので、圧力がどの方向からも均一にかかり、この均一した超高圧環境により、商品本来の状態を維持させます。
水分活性が極端に低い食品を除き、ほとんどの食品に応用することができます。顧客の方と協力して、食品の酸性、弱酸性、水分活性を測定し、変数など、最適の製造方法を決定し、国内現行法のもとに、冷蔵または常温で保存できるようにします。 HPP技術は冷蔵での保存期限延長に圧倒的な優位性を持っており、大腸菌、リステリア菌、サルモネラ菌などの微生物抑制の効果が顕著です。サラダ、ハム、ベーコン、ジュース類、漬物類、魚肉、甲殻類の肉など、欧米市場に乗せることができるようになり、また最近では、アジア市場で中国、韓国、日本などがこの分野で競争に参入しており、超高圧処理食品ブームが起きています。
HPPの特徴は、水を媒介に、全方位的に均一な圧力をかけるところにあります。たとえば、1個のブドウを2本の指で摘まんで力をかけるとブドウはつぶれますが、これは特定の方向からしか力を受けないからです。もし満水にした容器にブドウを入れて圧力をかけると、圧力は360度いずれの方向からも均一にかかるので、ブドウはつぶれません。これがHPP技術の原理です。
HPP処理した食品の保存期限は、熱殺菌とさほど変わりませんが、保存条件(常温か、冷蔵か)は、商品のpH値(酸性/弱酸性)と水分活性によって違ってきます。この技術は常温殺菌なので、従来熱処理できなかった食品も殺菌処理できるようになりました。通常に較べて、保存期限を2倍から5倍延長することができます。
はい。HPP処理食品は欧米、日本など、広い地域で販売されています。主に冷蔵食品であり、ジュース類、ジャム、サルサソース、ドレッシング、ワカモレソース、肉類ではベーコン、ハム、鶏肉などの調理済み食品、シーフードでは塩漬け、生カキ、殻剥きロブスターが多く、pH4.6以下で常温保存が可能な食品としてはジャガイモ、リンゴジャムなどがあります。